人権・労働慣行

人権




人権を尊重し、個性の尊重、自由な発想、建設的な議論により、新たな価値を創造します。
一人ひとりが社内外で差別行為をしないことに加え、国際社会に存在する民族差別、階級差別、児童労働、強制労働、貧困問題などの
人権問題の解決に向けて、サプライチェーンに働きかけるなど、人権尊重に積極的に取り組みます。
多様な人材が互いにその個性を尊重し、前例にとらわれず自由に発想し、建設的に議論することで、新たな価値を生む風土を目指します。
人権教育
レゾナックグループは働く全ての人たちが守り、道しるべとすべき基本ルール「私たちの行動規範」を定めており、中でも人権に配慮した事業活動を行うことは、共に働く人々を守り、共により良い社会をつくっていくビジネスパートナーやお客さま、地域社会からの信頼を得るための基本であることからステークホルダーの皆さまへのお約束として「レゾナックグループ人権方針」を策定しています。
当社がなぜ、どのように人権尊重に取り組まなければいけないのか、そしてその土台となる「レゾナックグループ人権方針」とは何かについて学習し、人権尊重の理解を深めることを目的として、全従業員を対象としたe-learningを実施しています。
また、毎年10月に人権方針を含む行動規範に関するTOPメッセージを発信するとともに、それぞれの職場ごとに私たちができることを話し合うことにより、各々が人権尊重を「自分事」ととらえ、会社の文化として根付くよう、継続的な教育を行っております。
5S 活動への取り組み
働きやすい安全な職場環境づくりを目指し、職場ごと5S活動(整理、整頓、清掃、清潔、しつけ)に取り組んでいます。
工場トップが率先して定期パトロールを実施しているほか、職場ごとに選任された委員を先頭に、目標・目的を明確にして自発的な取り組みを促しています。
改善提案・ヒヤリハット
改善提案は業務やプロセスの効率化や品質向上を目的に、現場や従業員からの意見や提案を集めて実施する活動です。ヒヤリハットは、事故や問題が発生する前に「危険」を察知し、災害を未然に防ぐための報告や指摘です。どちらも組織の安全性や品質を高め、リスク管理を強化するために重要な手法となり、優秀な取り組みには工場長表彰や、年間最多提案賞などの賞金も授与されています。
労働組合との協議
当社は、労働組合との協議を重要なパートナーシップと位置づけ、相互尊重と信頼に基づいた対話を通じて従業員の働きやすさと満足度向上を目指しています。特に、エンゲージメントスコア改善のためには、従業員の声を反映した施策を推進するため、労働組合と共同で課題の特定、解決策の提案を行っています。具体的には、働き方改革、福利厚生の充実、職場環境の改善などに重点的に取り組み、従業員が意欲的に働ける環境づくりを協力して実現しています。
この協働的な取り組みを通じて、従業員個々の成長と組織の持続的発展を両立させることを目指しています。
また、企業と個人、双方の成長を実現するための企業活動や組合員の待遇などのあり方を話し合うことを目的に事業概況労使会議を年2回開催しています。
会社からは、社長をはじめ経営幹部が出席し、経営方針、実行計画、それらに基づく経営諸施策など、企業活動の方向性について説明しています。組合からは、本部・支部役員が出席し、職場実態などをふまえて意見を述べるほか、組合員の待遇やその他必要と考えられる施策について提言を行っています。
2024年度は、業務効率化やDX推進の成果と目標の共有、エンゲージメント改善のための従業員との直接的なコミュニケーションの重要性、採用説明会やPR活動の改善を通じた事業所の魅力向上などについても話し合われました。
安全の取り組み
場内安全巡視
様々な視点から場内の危険源をくまなく抽出するために、管理者パトロールや労使合同パトロール、テーマを限定した臨時パトロールや外部コンサルを招聘してのパトロールなど多種多様な視点でのパトロールを定期実施し、災害発生の未然防止に取り組んでいます。パトロールでの気付きは、直接担当者へ伝え改善を指導するとともに、データベースに挙げ広く情報を共有することで自職場での振り返りの機会を提供しています。
安全・衛生教育
SCP(安全対話プログラム)を取り入れた安全活動として、安全の日に労使合同による安全巡視と相互啓発型の安全文化の実現を目的とした注意ありがとう相互ツアーに取り組んでいます。全従業員が参加し知識経験も違うメンバーで構成されます。互いの職場を訪問し、実作業と作業指針を照らし合わせて安全に関する気づきやグットポイントなど、互いに教えあい、改善を図っています。普段話したこともない他部署の人と会話することで、安全活動を入り口としてコミュニケーションの活性化やエンゲージメントにも貢献しています。また安全教育として、厚生労働省主催のSTOP!熱中症クールキャンペーンに協賛し各職場にWDGT計を設置して熱中症リスクの可視化や、安全教育や健康管理チェックシートを用いた熱中症対策活動を行っています。フォークリフトの安全教育として最近の事故傾向に注目した知識向上と、特設コースで実技を行いベテラン社員運転手と、フォークリフトメーカーによる安全運転講習会を実施し、工場の安全文化の醸成に貢献しています。
安全性審査
新設案件や増設・改造・解体工事、更にはこれに伴う新たな作業や作業変更の申請を受けて、設計段階や試運転前のタイミングに関係者を集め設備や作業の安全性を審査します。
また、これらの活動が環境や品質に及ぼす影響の評価を行い、課題を明確にし適切な対応を取ることで安全な職場環境を維持しています。
注意・気づきありがとう相互ツアーの実施
自分だけでなく、仲間の命を守ることができる相互啓発型の安全文化の実現のため、注意・気づきありがとう相互ツアーに工場で取り組んでいます。経験・役職問わず工場長から新入社員で構成されるチームに分かれて、普段話したことが無い数名が集まり、互いの職場を訪問しあい、安全に関するグッドポイントや気づきについて互いに教えあい改善する活動を行っています。安全活動を入り口としてコミュニケーションの活性化やエンゲージメントにも貢献しています。
化学物質管理
昨今の化学物質管理に係る規制の多くは、事業者による自主的な管理を強く求める内容に移行しつつあります。これに準拠するため、本社や各工場間で四半期ごとに開催する化学物質管理委員会等を通して情報共有し連携を密に行い、国内外の法令改正による要求事項を読み解き各職場へ展開するとともに、化学物質の使用による害から作業者の健康を守るための保護具着用の徹底や安全対策に至るまでを一元管理し漏れの無い管理を推し進めています。
レクリエーション
同じ工場で働いていても、職場が離れていたり勤務時間が異なると顔と名前は知っていても話したことも無いといったように、従業員同士でも中々お互いを知る機会がありません。円滑なコミュニケーションとアイデンティティの創出に加え、従業員の家族にも広く会社の取り組みを理解していただこうと、世代や職制の垣根を超えて楽しめる様々なレクリエーションを企画しています。ソフトバレーやマレットゴルフといったスポーツレクや、いちご狩りウォークツアーなど皆で楽しみながら健康増進にも一翼を担う活動を進めています。また、3工場合同でのフォトコンテストや参加者同士での歩数を競うウォーキングキャンペーンなども開催し、レゾナック・セラミックスとしての一体感を醸成する機会として好評を得ています。
ハラスメント防止
当社ではハラスメントのない職場づくりを目指して従業員への研修や啓発活動を実施し、セクハラ、パワハラ、マタハラなど、あらゆるハラスメント行為の根絶を目指しています。
全従業員を対象としたe-learningを実施し、ハラスメントの基礎知識を学び、ハラスメントのない職場づくりの重要性と、職場でハラスメントを起こさないために何に留意すべきかを学ぶほか、経営職向けハラスメント防止研修を実施し「ハラスメント防止」の重要性を理解し、経営幹部層として考えるべきこと、講ずべき対策を学んでいます。
また拠点ごとに相談窓口を設置し、被害者が安心して相談できる体制を整備しています。相談内容は秘密厳守とし、迅速で適切な対応を行うことで、従業員の信頼を得ています。
障がい者・高齢者の雇用促進
当社は、多様性と共生を重視し社会的責任を果たすための多様な取り組みを行い、インクルーシブな社会の実現を目指しています。
障がい者雇用においては法定雇用率の遵守だけでなく、特性に応じた適切な職場環境の整備や支援体制の構築を通じて、障がい者が持続的に能力を発揮できる環境を提供しています。
また、シニア層の長年培った専門性を活用し企業の発展に寄与いただくことが期待されており、60歳定年後の再雇用制度や柔軟な勤務形態とエイジフレンドリーな職場環境の整備によって、シニア従業員が経験や知識を活かして安心して働き続けられる仕組みを構築しています。
健康管理/メンタルヘルスケア
「化学の力で社会を変える」というパーパスの下、持続可能な社会への貢献を目指し、従業員と家族の健康を重視する健康経営を推進しています。オンラインでの健康セミナーを開催し、塩尻・富山・横浜の3工場で横断的に健康増進活動を展開しています。健康課題である血中脂質異常・高血圧の対策としては、ウォーキングイベントを実施しています。また、塩尻工場では松本大学(長野県松本市)と連携し、活動量計を用いた運動継続サポートを行っています。イベント参加者は増加傾向にあり、従業員の健康意識向上に繋がっています。健康経営を通じて企業価値を最大化し、誰もが健やかに活躍できる環境と豊かな未来の創造を目指しています。
また、社会情勢の変化に伴い、労働者のストレスやメンタルヘルス不調が増加傾向にあります。当社では、従業員が安心して働けるよう心の健康をサポートする様々な取り組みを実施しています。具体的には、医療スタッフによる健康相談や職場環境の改善指導、ストレス対処法や相談窓口に関する集合研修、管理職向けのラインケア研修に加え、外部機関と連携したEAP(従業員支援プログラム)や復職支援プログラムを導入しています。多職種が連携し、今後も安心して働ける職場環境の形成に努めてまいります。

労働慣行



社員一人ひとりの労働意欲を高め、
誰もが働きやすい職場づくりを推進します。
人材育成方針を明確にして社員の能力を開発し、働きがいを持てる職場環境を整備します。
社員が安心して働けるよう、安全かつ健康に配慮した職場環境を構築するための取り組みを徹底します。
人材育成の取り組み
当社では、求める人材像を明確にした上で教育体系を順次見直ししながら、能力開発に意欲的な企業風土をつくっています。
また、新入社員研修や昇格時研修、中堅リーダー研修など、社員のキャリアパスを想定し、各グレードにより求められる能力を身に付けるための階層別研修を実施しております。各教育実施後の受講者アンケートから研修の改善点、また内部・外部の環境変化によるニーズの変化を把握し、研修内容の見直しを行っております。
職務に必要な知識を得るための階層別研修の充実
将来を担う社員の育成を目的とした選抜研修の実施
通信教育の受講や資格取得に伴う費用補助
工場や事業所の枠を超えた人材交流活動
人事諸制度の整備と透明な運用(人事考課制度、昇格制度、賃金制度 等)
緊急事態への対応
普通救命講習
外部講師を迎え実際に起きた事例を参考に、傷病者へ適切な処置方法や緊急処置対応を学ぶ座学のほか、工場内に設置しているAED(自動体外式除細動器)を使った訓練を行っています。
緊急時処置訓練
生産活動の中で起こりうる整備異常や環境異常を各工場・部門ごとに想定して、被害を最小限に抑えるための初期対応訓練を行っています。特に、工場周辺への影響が懸念される水質や大気に関する排水異常や漏洩対策訓練は、自動遮断弁や警報装置など設備対策に加えて、人の手による土嚢投入や風向・風速を目視確認といった抜けの無い訓練を心掛けています。
消防設備点検
万が一火災が発生した場合に消防設備が正常に作動するように、工場に設置された消火器や消火栓、自動火災報知設備の点検を年に2回実施しています。
点検は専門知識を持つ業者によって、外観による損傷等の確認や動作確認により機能の点検を行っています。また、3年に1回、消防署に点検結果の報告を行っています。
避難訓練(自然災害への備え)
各工場が抱える代表的な地質学上のリスクや自然災害発生を想定して、毎年11月5日の津波防災の日に場内協力企業や関係会社を含む全員参加の避難訓練を実施しています。災害の発生を知らせる構内一斉放送から開始し、トランシーバーや携帯電話等を用いた指示伝達や部署内の連携により、いかに短時間で所定の場所へ避難できるかと安否確認に重点を置き訓練を行っています。また、災害帰宅困難者や事業継続/BCPの観点から余儀なくその場に滞留せざるを得ないケースを想定し、食糧をはじめとする避難時生活に必要な発電機や照明機器、暖房器具、簡易トイレ、毛布などの備蓄品を準備しています。更には、飲料メーカーの社会貢献活動により場内複数カ所に設置された災害救援自動販売機では、災害時無償で飲料を受け取ることができます。
コンプライアンス体制
改善活動
Shi-ZUKU活動(塩尻工場)
塩尻の頭文字(Shi)と長野県の方言である、やる気・根気・気力をあらわす(ZUKU)を掛け合わせてShi-ZUKUと銘打ち活動を進めています。
全従業員が工場目標を達成するために目指す方向、目的を共有し、各課・グループごとにテーマ選定をし、メンバーが知恵を出し合い活動に取り組んでいます。年2回の報告会で得られた様々な意見やアドバイスを加えて最終発表会でその成果を披露します。
報告会 2024年2月27日、29日、7月16日、30日
発表会 2024年10月25日
きときと活動(富山工場)
きときと活動は、ロス・ムダの排除により、災害・故障・不良のゼロを目指し、生産効率を高めていくことを目標に、新人・ベテラン問わず一年間かけて課題に取り組みます。
日常業務の中の “こんな仕組みや取り組みがあったらいいな”を題材に改善を重ね、その成果を発表~表彰しています。我々はこの活動を人材育成の場であるとも考えており、課題に取り組むことで、専門知識や課題形成~課題解決の方法を学ぶことができます。
OASIS活動(横浜工場)
横浜工場のOASIS活動は、2019年の取り組みが評価され、ダイバーシティCEO表彰で「優秀賞」を受賞しました。各職場では世代や性別を問わずチームを編成し、場内美化やKYトレーニング、座談会を通じて安全意識を高め、工場環境を整え、コミュニケーションを活性化しています。今後もOASIS活動に継続的に取り組むことで、従業員一人ひとりの意欲向上を図り、自主的な活動を展開していきます。
DIDX推進
レゾナック・セラミックスは、レゾナックグループの中でもDXのパイオニアとして2021年を機に革新的な取り組みを続けてきました。
初年度にはDIDX部の立ち上げと共に、全従業員に対してスマートフォンの貸与を開始。社内SNSを導入して迅速な情報伝達とコミュニケーションの活性化を実現しました。また、タブレット端末の活用と多くの独自アプリケーションの開発で、業務効率の向上、ペーパーレス化の促進、業務の平準化がなされ、現在も更なる改善に取り組んでおります。
今後は、システム導入やデジタルスキル向上をサポートするだけでなく、AIやデジタルツインなど新たなITツールの採用、インフラ環境の更なる拡充も継続し、引き続きレゾナックグループのDX化を牽引していきます。
安全対策プロジェクト
2019年に発生した災害を教訓に、再発防止に向けた取り組みの一環として、工場設備の安全対策推進と技術者育成を目的とするプロジェクトチームを結成しました。リーダーを中心に迅速かつ円滑に計画立案及び提案、進捗管理を遂行できる体制を目指し、「安全対策、生産技術に関するプロジェクト」を発足させ、安全・安定操業基盤の確立に努めています。
また、指差呼称はポカミス防止のため五感を総動員して災害を未然に防止する有効な手段ですが、この活動を改めて浸透させるため場内全ての横断歩道、操作設備、出入口に指差呼称を促す特注の標識やステッカーを貼りました。更には、ベテラン社員が全ての職場を回り過去の経験を織り交ぜた指差呼称徹底のための啓蒙教育を行っています。
BCP(事業継続計画)の取り組み
自然災害や発災を起点とした緊急時に備え、企業の社会的責任として、事業を停滞させないための取り組みと仕組みづくりを進めています。ここ数年は異常気象による大雨や大雪、洪水など企業の生産活動にも大きな打撃を与えかねない未曽有の災害が頻発しており、被害想定も都度見直しを余儀なくされています。計画的に設備対策や手順書の見直しを行っています。 また、災害対策本部を中心に工場間で有事を想定し衛星電話やトランシーバーを駆使した情報集約と伝達の合同訓練を行い、対策精度の向上、新たな課題の掘り起こしを行っています。




