環境

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レスポンシブル・ケアを推進します。
レスポンシブル・ケアは化学物質を取り扱う企業が自主的に環境・安全・健康に取り組む活動のことです。
当社グループのサステナビリティ活動の根幹にはレスポンシブル・ケアがあり、その実践を通じて、
社会から信頼・評価される企業を目指します。
場内環境施設
工場立地法に定められた環境施設の一つに塩尻工場敷地内東側に「桔梗ソールパルク」と命名されたビオパークがあります。命名の由来は塩尻市の市花である「桔梗」と「柳」「公園」を意味するフランス語のソールとパルクを掛け合わせています。
この公園には工場が誘致される前からこの地を見守ってきた樹齢1,000年を超える雄大な柳の木が鎮座し、その木の下に環境へ配慮した土屋根・国産ヒノキを用いた東屋があり、東屋を取り巻くように小川が緩やかに流れています。塩尻工場は、レゾナックグループの工場の中でも標高700mを超える有数の高台に位置し江戸時代中山道の宿場町である奈良井宿を流れる奈良井川に合流するこの小川には水辺の環境を評価する指標種である日本メダカや十数種を超えるトンボや蝶が自生し、工場に居ながらにして安らぎと四季折々の信州の景色を楽しむことができます。仕事に行き詰まって気分転換をしたいときや、斬新なアイデアを出したいときなど心や魂「ソール」を浄化し自然と調和する場として広く利用されています。
モノづくりに廃棄物は付き物という考えから脱却して、原料や製品の購入から製造・出荷・製品廃棄までのサイクルを通して廃棄物を出さないための様々な取り組みを進めています。
Reduce[リデュース]

従来であれば埋立廃棄物となる、家電製品や複数の素材からなる複合製品を、人の手を介して解体分別することにより、廃棄物ではなく有価物として生まれ変わらせます。
Reuse[リユース]

要らなくなったらすぐ捨てるのではなく、社内外で新たな活躍の場を求めて再利用の呼びかけを行っています。
Recycle[リサイクル]

リサイクル工程でCO₂排出削減をはじめとした環境負荷を抑える技術をもった委託先を開拓し、その協力を得てより環境にやさしいリサイクルを心掛けています。
廃棄物削減の取り組み
レゾナックグループは、全社を挙げ廃棄物発生量の抑制および、ゼロエミッション※の達成を目標に掲げ、外部委託業者の協力を得て3R(Reduce・Reuse・Recycle)への取り組みを進めています。
また当社では、担当者が毎年委託先へ出向き、中間処理・最終処分状況を査察し、廃棄物が適正に処理・処分されていることを確認しています。
ゼロエミッションとは:排出される廃棄物をいかに処理するかではなく、それを再利用しあらゆる廃棄物量をゼロにすることを社会全体で目指すグローバルな取り組み。資源とエネルギーをできる限り有効に使用し、環境への排出をゼロに近づけ資源循環型の社会を目指すもので、国連大学が1994年に提唱した。レゾナックグループでは「最終埋立処分量が廃棄物発生量の0.5%以下」と定義している。
エコ事業所認定
2010年に富山県で、県内廃棄物の減量化、リサイクル推進を目的に「富山県リサイクル認定制度」が制定され、廃棄物を利用したリサイクル製品や廃棄物の減量化・リサイクルなどに積極的に取り組んでいる事業所の認定が開始されました。
認定の範囲は、リサイクル製品、資源回収拠点のエコステーション、エコ事業所の3分野にわたり、富山工場はゼロエミッションの達成やアルミ缶・エコキャップの回収・寄付およびLED照明の採用等の取り組みが評価され、 2013年に県内6社目のエコ事業所に認定されました。認定された事業所は、県情報誌やHPに掲載され、広く内外へその取り組みが紹介されています。
リサイクル実例
異なった材質が一体化した複合製品や、新素材・リサイクル品を多用した廃棄物は分別やリサイクルが難しく、またリサイクル業者を取り巻く環境も今や国内ばかりでなく世界規模で厳しくなり、排出者に求められる責任も年を追うごとに増してきています。工場から排出される廃棄物は、場内での分別徹底を経て外部業者の技術協力により、そのほとんどがリサイクル品として広く利用されています。
ECO-RC砕石
アスファルト舗装の下地材になります
自動車や大型のトラックが通行しても十分に支えられる強度を保つために、アスファルト下のしっかりとした層を作るための路盤材として利用されています。

再生プラ
プラスチック製品材料として使用されます
金属片や異なる材質を含む成形品から異物を取り除き、フィルム状の軟質プラ・外装材や容器などに使われている硬質プラ・その他に分類。その後粉砕され、再生プラスチック原料に生まれ変わります。

再生塩ビ
再度成形し配管などに使用されます
場内設備から外された塩ビ配管には機器類や金属ボルト、芯材を含んだフランジが取り入れられているため、これらを取り除いた後に細断され再生塩ビ原料に生まれ変わります。成形されたものは再度塩ビ配管として利用されます。

木くず/木パレット
粉砕選別後、成形加工し再生紙原料や熱原料に使用されます
工場から排出される木パレットは、廃材を破砕し、木質燃料チップ20%は紙パルプや木質繊維板等のメーカーへ再利用され、木質燃料チップ80%は、バイオマス発電の熱原料やボイラーを所有する会社へ販売されます。

環境データ
水質データ
水質汚濁防止法による排出基準や地域との協定に基づく規制値を遵守しています。各工場では、地域との協定に基づく規制値より厳しい自主管理基準を設けています。環境維持のために、pH・SS・BOD・CODの常時監視を行い、排水監視の強化に努めています。(製品や立地により管理する項目が異なります。)
実績値についてはサステナビリティレポートをご覧ください。
環境負荷低減の取り組み
生産活動によって生じる環境影響負荷を最小限に抑えるための取り組みを行っています。生産に不可欠な原燃料消費とこれによって排出される温室効果ガス・廃棄物埋め立て率に着目し活動を進めています。生産量に連動して変化する温室効果ガスやエネルギー使用量は原単位の削減、廃棄物は埋立率0.5%以下を目標に掲げています。
実績値についてはサステナビリティレポートをご覧ください。
温室効果ガス(GHG)
環境方針の項目に省エネルギーを重要課題として位置づけ、生産工程の見直し、運転最適化などによる省エネルギーを推進しています。温室効果ガスは燃料使用量と、他社から供給された電気・熱の使用量から算出された排出量に排出係数を掛けて算出されます。
廃棄物処分量
各工場では廃棄物の発生量を抑えると共に、発生した資源のリサイクル利用を推進しています。また、資源ごみと一般ごみの分別を徹底し廃棄物量の削減に取り組んでいます。
エネルギー使用量
効率の良いトップランナー機器やデマンド設備を採用し、燃料消費をコントロールしています。また、電力需要が減少する夜間に操業し民生用電力の需給安定化に寄与しています。
発電設備の紹介
塩尻工場
信濃川水系上流の梓川の水力を利用し、戦後1950年(昭和25年)に赤松発電所の運用を開始。自社工場の電力供給だけでなく、地域の水利事業においても広く利用されています。年間発電量は一般家庭5,460世帯の年間使用量に相当します。
また2013年からは、工場敷地内に東京ドームの半分ほどの面積のメガソーラー発電設備を誘致し、年間180,000kWhの発電量を得ると共に、年間844tのCO₂の削減にも大きく貢献しています。
富山工場
多くの電力を必要とする電解炉を用いた製造を主体としていた富山工場は、1954年(昭和29年)に電力会社を主体に民間企業11社が共同出資した発電所を神通川上流の岐阜県高山市の見座・葛山の2ヶ所に建設し運用を開始しました(現在は4社の出資)。年間300,000MWhを発電し、環境にやさしい持続可能な再生可能エネルギーの有効利用拡大に努めています。
緑地管理・整備
当社は、工場立地法に基づく緑化率の準拠を徹底し、さらなる緑化の推進に取り組んでいます。工場周辺の緑地を増やすことで、生物多様性の保護と地域環境の向上を図っています。また、体育館、グラウンド、太陽光設備、桔梗ソールパルク(公園)などの環境施設を整備し、地域住民との交流の場を提供しています。これにより、地域社会との連携を強化し、持続可能な環境づくりに貢献しています。今後も、緑化と環境施設の活用を通じて、より良い未来を目指していきます。
排水・排ガス管理
当社では、環境保護を最優先に考え、工場からの排水と排気ガスの管理に取り組んでいます。排水と排気ガスの環境の規制基準を守るために、自主基準を定めて設備の運転管理と監視を行っています。特に、公共用水域への排出は工場敷地内に降る雨水もふくめて、環境関連法令の規制の対象となります。そのため、24時間体制で監視を行い、日々のパトロールや定期的な設備点検を通じて管理を徹底しています。また、万が一の異常時にも迅速に対応できるよう、定期的に緊急対応訓練を実施し、予防と対応体制を強化しています。これらの取り組みにより、環境基準を守り、地域環境への影響を最小限に抑えながら、持続可能な社会の実現に貢献しています。
騒音防止対策
塩尻工場・富山工場は一般住宅地と近接しており工場は昼夜・休日関係なく一年の殆どで設備が稼働しているため、周辺住民の方々の生活環境の保全と作業員の作業効率の向上や労働環境改善の観点から様々な騒音被害防止のための対策をとっています。
対策は大きく分けると、騒音を発生させないための工夫と発生してしまう騒音をどのように軽減し維持管理するかであり、前者は設備設計段階での機械本体や設置場所の遮音対策、後者は発生源の特定と防音パネルやカバー緩衝材などの騒音軽減措置が挙げられます。また、毎月工場に隣接した複数の境界域で定点観測を実施し、騒音規制値や協定値の範囲内に管理されているか確認を行っています。
省エネへの取り組み
自然循環エネルギーを有効活用するため創業と時を同じくし早くから水力発電所の建設と利用に着手し安定したエネルギー供給源の確保に努め、2013年には塩尻工場内にメガソーラー施設を誘致し周囲の景観や環境へも配慮した効率の良いエネルギー確保と利用を進めています。
また、設備の導入検討段階から、できるだけ環境負荷の少ない原料の選定や製造工程、出荷に至るまでの検証を繰り返し、製造設備ばかりではなくコンプレッサー、ボイラーに至る付帯設備にもトップランナー製品や省エネ機器を優先的に導入しています。
非製造部門においても、照明のLED化や省エネエアコンの導入など設備改善を図るとともに、休憩時の消灯や残業の削減など運用面でも様々な取り組みを進めています。
アルミ缶リサイクル活動
2001年よりアルミ缶リサイクル活動を実施しています。場内で飲料を購入した際に発生するアルミ缶だけでなく、従業員の各家庭から出される使用済みのアルミ缶も工場に持ち込んでいただき回収しています。こうして集まったアルミ缶を売却して得た収益金は、近隣の小学校へ寄付され、子供たちが授業で使用する用具の購入等に充てられ地域の教育活性化活動として定着しています。
美化活動
工場周辺の道路や緑地帯の清掃活動を行っています。また、「工場ショールーム化」のキャッチフレーズのもと、自然環境との調和、地域の景観に溶け込んだ美しい工場を目指し、場内の植樹や緑化管理・荒地整備など、地域の方に親しんでもらえる工場となるための取り組みを推進しています。
プラスチックリサイクル活動
ペットボトルキャップの回収活動からスタートした取り組みは、梱包材や資機材、事務用品、樹脂パレット、塩ビ配管等事業活動で生じたあらゆるプラスチック製品の分別回収にまで広がり、構内で働くすべての作業者の分別リサイクル意識が高まりました。
場内で回収したプラスチックは更に素材・形状別に7種類に選別し専門業者に買い取っていただき、その売却益は買取業者を経由して日本赤十字に全額寄付され人道支援活動に役立てられています。プラスチックごみの有効活用は、廃棄焼却処分時に発生するCO₂の削減にも役立っています。




